毎日続く秋の長雨、いやだなぁ。外を見ると遠くの家々や緑が雨に霞むけれど、部屋の中は散歩に連れて行けない犬のおしっこの臭いが立ちこもる。



長雨は英語では[a long rain]実に素っ気のない表現。糸のように降る雨は[ a thin rain]、霧雨は[a fine rain, a misty rain, a drizzle, a drizzly rain(時雨)]、横殴りの雨は、そのまんま [a sloping rain]、弾丸のように降る雨ーこれもまた [a shower of bullets]、涙雨 [a flood of tears]、土砂降りは  [a heavy rain, a pouring rain,学校で必ず習う It's raining cats and dogs.]、まぁ言語の性格上具体表現は仕方ないか。

日本語では秋の雨だけでも、「秋雨(あきさめ)」、「秋黴雨、秋入梅(あきついり)」、「秋霖(しゅうりん)」、「秋時雨」「秋の村雨」「霧時雨」。季語でしか使われないのもが多いのかな。私は俳句はやらないが、友人に短歌も俳句もそつなくこなす修平クンがいる。ちょこちょこと作って新聞に投書するとすぐ優秀歌になる。本業の小説はちょこちょこと作れないから大変だ。
昔、職場で見つけた新聞の「ひまわりが振り返って見る戦争(いくさ)かな」と言う句がとても気に入って彼に話したら、それ川柳だと言われて驚いた。俳句には政治色が全くないのかな。ただ自然や生き物と、心情だけを詠むのだとしたら、物足りないと思うが。


以前は上の写真のような山で、狸がいた。6、7年前から小さな家がびっしりと建ち始めた。晴れた日の夕方はデラクロア(Michel Delacroix)の絵みたいできれいだが、狸も蛇も完全に姿を消した。

    秋霖の空にも泳ぐカラスヘビ

 やっぱり駄目か。